デング熱

デング熱とは

 デング熱とは、デングウイルスが感染しておこる急性の熱性感染症です。ウイルスに感染した人を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他者を吸血することでウイルスが感染します。しかしヒトからヒトに感染する病気ではありません。また、感染しても発症しないことも多くみられます。
 熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、最も日本に近い流行地は台湾です。以前より海外で感染し帰国された方が年間200名前後いましたが、2014年夏に国内での感染事例が多数確認されました。主たる媒介蚊は日本にはいないネッタイシマカですが、日本でみられるヒトスジシマカも媒介します。

症状と治療法

 潜伏期間は、2~15日(多くは3~7日)です。突然の高熱で発症し、発熱、発疹、痛みが3主徴です。発熱は2~7日間持続します。初期症状に続き、強い全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感がでます。発疹は、発熱後3~4日で解熱傾向とともに出現し、胸部、体幹から始まり、四肢、顔面に広がります。症状は1週間程度で回復しますが、まれに重症化する場合があります。その場合には、腹痛、持続的嘔吐、胸水、腹水、粘膜出血、無気力・不穏などの症状が認められます。
 治療はデングウイルスに対する特効薬はありませんので、対症療法になります。また、解熱鎮痛剤として、アセトアミノフェン以外の消炎鎮痛剤は、出血傾向を強める可能性がありますので、服用しないようにご注意ください。早めに医療機関を受診し、治療を受けるようにしてください。

予防法

 流行地に出掛ける際は、蚊に刺されないよう注意しましょう。長袖、長ズボンの着用や、虫よけスプレー等も利用されるとよいでしょう。また初夏から秋にかけては国内での流行情報を確認されるとよいでしょう。