脳卒中シリーズ1

脳卒中とは

脳卒中は、脳の血管が詰まって血液が流れなくなったり「虚血性脳卒中(脳梗塞)」、または脳の血管が裂けて出血「出血性脳卒中(脳の出血、クモ膜下出血)」したりして、脳の組織が傷害されて機能を果たせなくなる病気の総称です。症状としては、突然、手足がしびれる、動きが悪くなる、言葉が話せなくなったり、あるいは意識がなくなるなどが認められます。
 脳卒中は悪性新生物(がん)、心疾患に次いで死亡原因3位の疾患です。近年、医学の進歩に伴って、死亡は減っていますが、脳卒中にかかる人数は減っていません。重い後遺症を残し、寝たきりになる原因疾患として大きな割合を占めています。このうち脳出血はやや減少し、脳梗塞は増えています。

脳卒中を予防するために

脳卒中を予防するためには、その危険因子を正しく理解し、治療をしておくことが重要です。先天的な要因が強く、若い人にも多い「クモ膜下出血」を除くと、脳卒中は六十五歳以上の人に多く、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病があると、血管がもろく破れやすくなったり、動脈硬化を促進することがわかっています。
 近年、脳梗塞が増えているのも生活習慣病の増加が大きく影響しています。また、「喫煙、多量の飲酒、肥満、ストレス」は高血圧や動脈硬化の促進につながります。さらに過度の飲酒やストレスは脳卒中を発症する直接の引き金になります。さらに心房細動などの「不整脈」がある人は脳梗塞の原因になります。また以前に脳卒中にかかったことのある人も再発をきたしやすいのです。
 危険因子をもっている人は脳卒中にかかりやすいことを自覚し、改善できる点は改善していく必要があります。食生活を見直して、喫煙や飲酒も自制し、医師の指導や治療を受け十分にコントロールしましよう。生活に十分注意し、少しでも危険因子を減らしていくことが、脳卒中の発症を防ぐことにつながります。