空気が乾燥しやすい時期、季節の変わり目には鼻血が出やすくなります。鼻をぶつけたなど外傷のエピソードが無くても鼻血が出ることがしばしばあります。ほとんどが心配のないものですが、何らかの病気が原因となっている場合もあり注意が必要です。
鼻血の原因のほとんどは粘膜に対しての刺激です。鼻の内側の粘膜にはたくさんの血管が走っています。鼻の穴の入り口から少し奥にある「キーゼルバッハ」という部位には血管がたくさんあり、指先でひっかく、鼻をぶつけるなどでこのキーゼルバッハ部位の粘膜が傷つくと鼻血が出ます。風邪、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などで鼻をかむ回数が増えると鼻血が出やすくなりますが、これもキーゼルバッハ部位からの出血です。一般にこのタイプの鼻血は心配ありませんが、何らかの病気や薬が原因で鼻血が出やすくなることがあります。高血圧や動脈硬化、肝臓・腎臓・血液の病気、抗凝固薬や抗血小板薬の服用、鼻の腫瘍などは鼻血がでやすくなり、出血量も多く、止血に時間が掛かることがあり注意が必要です。
正しい止血法は意外と簡単です。落ち着いて椅子に座り、顔を少しうつむけて出血している側の小鼻を人差し指で5分間ほど押さえ続けます。その後小鼻から指を離して出血が止まっているか確認します。ほとんどの鼻血はこれで止まります。
誤った止血法の例として、ティッシュペーパーなどを鼻に詰める、上を向く、仰向けに寝る、首の後ろをたたく、鼻を冷やす、鼻をかむなどがあります。意外とやっていませんか?これらの方法はかえって出血を促してしまったり、血液を飲み込んで窒息を起こしたりする可能性があるため、避けてください。
10分以上押さえても止まらない場合や、出血が多くのどに流れ込んでいく感覚がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。