朝起きて歩き始めにかかとが痛くて足がつけず歩くのがつらいことはありませんか？このような症状は「足底筋膜炎」の可能性があります。
足の裏には体重を上手に支えるためアーチが形成されています。足底筋膜は、かかとの土踏まず側から足の指の付け根まで扇状に伸びて強く張ることで、このアーチを維持しています。ランニングなどのスポーツによる足への負担や、加齢による足底筋膜の劣化や変性が原因と考えられています。そのためスポーツをハードに行う機会が多い若者に多い一方で、40歳代以降の男性や50歳代以降の女性にも起こりやすい痛みです。
足底筋膜炎の痛みは「朝起きて歩き始め」「長く座っていたあとに歩き始め」に起こりやすく、少し歩いていると痛みが和らいでくるのが特徴ですが、炎症が強い場合や慢性化すると痛みが一日中続くこともあります。
痛みの改善には硬くなった足底筋膜の柔軟性を回復させるストレッチ、足底板やインソールを使い足のアーチを支えるといった治療が基本ですが、治療効果が現れるまでには個人差があり数ヶ月かかる場合が多く、根気よく続けることが必要です。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の内服・外用（湿布等）、ステロイド注射などの治療も検討されます。高いレベルの結果を求められるアスリートスポーツ選手や、痛みが激しく日常生活が送れないような状況が続くと手術が選択されますが、ほとんどの場合は根気よい治療で痛みの軽減が期待できます。
かかとの痛みはあきらめずにかかりつけ医に相談しましょう。