立ち上がり、動き始め、階段を降りる時などに膝の痛みを感じることはありませんか?中高年者に多い膝の痛みの原因の一つが変形性膝関節症です。
正常な膝関節の表面は軟骨で覆われていて、骨と骨がぶつかりあわないようにクッションの役割をします。年齢に伴う筋力低下や急な体重増加などで膝に負担がかかり軟骨がすり減ってしまうことがあります。その結果、関節の変形や炎症が起こり痛みを生じます。
初期には、軟骨のすり減りが始まり関節のすき間が狭くなりますが、痛みは軽いことがしばしばあるため治療の開始が遅れがちになります。そのままにしておくと、すり減りが進みすき間がだんだんとせまくなり、進行すると、軟骨がなくなり骨が直接ぶつかるため激しい痛みを引き起こします。
膝の診察、レントゲン検査でどのくらいの変形や炎症があるかを調べることが大切です。軽い変形であれば膝まわりの筋肉訓練、リハビリ、足底板などの装具で痛みを軽くすることができます。少し進行して痛みが強いときは内服、外用剤の治療や関節内にヒアルロン酸を注射することで痛みの軽減が期待できます。
変形が進んで痛くて歩けなくなると人工関節などの手術が必要になるため、早めに適切な治療を開始することが大切です。思いこみや間違った情報に振り回されると治療のタイミングが遅れます。気になる痛みは早めにかかりつけ医に相談しましょう。