動脈硬化の危険因子
まず、第一に血圧が高ければ、十分なコントロールが必要です。血圧の管理で大切なことは、血圧を上げる要因を排除することです。 高血圧の発症には、なりやすい体質と発症し増悪させる「環境因子」があります。環境因子には、塩分のとり過ぎ、肥満、ストレス、運動不足などがあります。
日常生活の中で環境因子を取り除けば、血圧を上手に管理していくことができます。また、降圧剤の内服が必要な場合でも、生活習慣を是正する努力を怠っては、十分な血圧のコントロールはできません。
その他の危険因子
高脂血症も動脈硬化の原因疾患です。コレステロールは特殊なタンパク質と結合し粒子となって血液中を運ばれます。この粒子の主なものにLDL(低比重リポ蛋白(たんぱく)=悪玉)とHDL(高比重リポ蛋白(たんぱく)=善玉)があります。
LDLは血管壁に取り込まれ、動脈硬化を引き起こします。HDLは血管壁から余分なコレステロールを取り除く働きをします。LDLが多すぎたり、HDLが少なすぎると動脈硬化が促進されます。中性脂肪もタンパク質と結合し、血液中を運ばれますが、血中の中性脂肪が増えると、小さい粒子(超悪玉)を産出し、 LDLよりも血管壁に入り込みやすく、動脈硬化を促進します。
血液中のコレステロールや中性脂肪の増加にも食習慣や体質が深くかかわっています。体質にもよりますが、肉の脂身や鶏卵などコレステロールの多い食品をとり過ぎると、コレステロールが高くなります。糖分やアルコールのとり過ぎもよくありません。また、運動は中性脂肪を分解し、HDLを増やしますが、運動不足は肥満につながります。
女性ホルモンはコレステロールを下げる働きがあり、閉経後の女性ではリスクが高くなります。喫煙はHDLを低下させ、糖尿病では肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成が促進されます。この他、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、高脂血症、糖尿病などの遺伝的素因がある人は特に注意が必要です。
動脈硬化を防ぐには
動脈硬化やその合併症は、治療よりも予防が大切です。合併症が現れる前に、できる限り動脈硬化の進展を防ぎましょう。
健康診断などを利用して、日ごろから自分の健康状態を把握しておくことが大切です。健康診断で異常があれば、必ず医師の診察の上、生活習慣の指導や治療を受けましょう。健康診断の結果を活用して、生活習慣を見直すことが大切です。