■ あなたの健康(「広報まつど」のコラムより)

レジオネラ症

(2004年4月15日号より)

レジオネラ症とは

レジオネラ・ニューモフィラという細菌感染により、重症肺炎や一過性の発熱を引き起こします。レジオネラ菌は本来土壌菌ですが、ビルなどの冷却塔、加湿器、お湯をろ過して循環する風呂やジャグジーなど、エアロゾルを発生させる人工環境にも繁殖するため、これら設備の増加と相まって、感染する機会が増えてきています。

近年、入浴施設での集団発生および肺炎により亡くなられる事例も散見されます。

主な症状

レジオネラ肺炎は、潜伏期が2~10日で発症し、全身倦怠感や頭痛、筋肉痛などの症状に始まり、咳、痰、高熱が見られますが、これらの症状は他の細菌による肺炎と同様です。レジオネラ菌による肺炎では、傾眠(意識の消失していく、睡眠に似た状態)、幻覚、けいれんなどの中枢神経症状が早期に認められることと、症状の進行が速いことが特徴です。有効な抗菌剤投与がなされない場合は、7日以内に死亡することも多いのです。

また、感染により、発病率が95%、潜伏期間が1~2日で突然の発熱、悪寒、筋肉病を認め、一過性で治癒するボンティアック熱という病型をとることが多いのですが、集団発生でないとはっきりしないようです。

治療と予防

前述の肺炎を疑わせる症状があれば、直ちに医療機関で受診しましょう。尿中の抗菌検査などによる診断や、抗菌薬による治療が行なわれます。

レジオネラに感染し、発症するかどうかは、単に菌数だけでなく、エアロゾルの吸入量や吸入した人の健康状態、年齢、免疫力など、多くの要因が関係しますが、菌数が少なければ少ないほど安全であると考えられます。公衆浴場では、厚生労働省から水質基準に関する指針が示されています。家庭内でも、いわゆる 24時間風呂の場合、レジオネラ菌が生息している可能性があり、お風呂のお湯は適宣取り換え、浴槽は清掃して清潔に保ち、体の汚れを落としてから浴槽に入るように心がけましょう。

また、加湿器にも水を溜めておくタンクがあり、菌が増殖することがあります。水は毎日取り換え、衛生的な水を使用しましょう。定期的にノズルの掃除やタンクの洗浄を行い、使用しない期間は水を抜いてきれいにしておきましょう。

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