ロボット支援手術とは

 体の中にロボットアームに固定された特殊な医療機器を挿入し、医師が別の場所から操作して行う手術のことで、正式には「ロボット支援下内視鏡手術」と言い、胸・腹腔鏡下手術のさらに進化した手術と考えることができます。

 メリットは傷が小さく出血が少ないことや、今までの手術では届きにくかった部位に到達できることです。細かい操作をする際、人間の手ではどうしても起こってしまう手振れがありますが、コントローラーを動かす医師の手元が震えても、手振れ防止機能が働き、ロボットアームに付けた器具は震えずに操作を行うことができます。またロボット支援手術の内視鏡カメラはフルハイビジョンの高画質で三次元立体画像を映し出し、お腹や胸の中を立体的に見ることができるため、臓器や血管の入り組んだ様子が良く分かり、手術を行いやすくしています。このようにして細かい動きが正確に行えるので、術後の合併症を減らすとともに正確な切除ができるようになります。

 ロボット支援手術が保険適用で受けられる病気は、胸腔鏡や腹腔鏡を用いる内視鏡手術の適応であることが前提になります。食道がん、胃がん、すい臓がん、大腸がん、腎臓がん、肺がん、縦隔悪性腫瘍(左右の肺の間の空間にできる特殊な腫瘍)、子宮体がん、心臓弁膜症、膀胱がんなど広範囲にわたります。また保険適用で行える医療機関は、ロボット支援手術以外にも通常の内視鏡手術、開腹手術、開胸手術も十分に行っているなど厚生労働省が定める施設基準を満たしている施設となります。