ガングリオンって聞いたことありますか?

ガングリオンって何?

 手首・手の甲・足などに、グリグリとしたこぶ状のものができることがあります。これ何だろうと思ったことはありませんか?このこぶ状のものがガングリオンと呼ばれる良性のこぶ(腫瘤しゅりゅう)です。関節のどこにでもできますが、手首(手関節しゅかんせつ)、指の付け根、手の甲(手背しゅはい)、膝の後ろなどによく見られます。

ガングリオンの特徴は?

 特にぶつけてもいないのに関節の近くにこぶ状のふくらみができます。通常は痛みがなく、色調も通常の皮膚と同じで赤くなったりしません。大きさはいろいろで、アズキくらいの小さなものから2~3cmくらいのものがありますが、膝の後ろなどは比較的大きくなり、ピンポン玉ぐらいの大きさになります。女性に多く見られる傾向がありますが、子どもから高齢者までどの年代でも見られます。

ガングリオンの原因は?

 原因はいまだによく分かっていません。関節やけんには曲げ伸ばしを滑らかにするために、滑液かつえきという潤滑剤のような液体があります。これが関節を包む袋(関節包かんせつほう)が突出したところに流れ込み、中でゼリー状になり腫瘤を作ります。自然にできることがほとんどで、打撲や捻挫ねんざなどの外傷や関節や腱の使いすぎが原因になることはごくまれです。

ガングリオンの治療は?

 ほとんどが良性のため痛みがなく、あまり大きくないものはそのまま様子を見ます。しかし、神経や血管の近くにできると痛みやしびれといった症状を伴うことがあります。また、大きくなると外見上目立って美容上の問題となることもあります。このような場合は治療が行われます。
 治療はまず、注射器で中のゼリー状の内容物を抜きます(穿刺せんし治療)。一度抜いてもしばらくするとまた再発することがありますが、何回か穿刺治療を繰り返すうちにできなくなることがあります。再発する場合やだんだん大きくなる場合、痛みやしびれが強い場合は、手術による治療が選択されます。ガングリオンは良性であることと、自然に軽快することもあることから、急を要することはありません。しかし、関節の周りにこぶがあって気になるときは、医療機関に相談しましょう。