点眼剤(目薬)について

点眼剤はどこにいく?

結膜嚢けつまくのうまぶたの下の袋状の部分)から眼外へあふれる
②涙点(瞼の鼻側上下にある排出口)か鼻涙管びるいかん(眼と鼻をつないでいる管)へ排出
③眼内へ移行

①のあふれる量は
 点眼液1滴は約30~50㎕(マイクロリットル)、結膜嚢の最大容量は約30㎕、涙液量は約7㎕なので、一滴の点眼で3割以上が眼外にあふれ出ます。ですから2滴3滴と点眼しても2滴目以降の点眼液は全て眼外に出て、皮膚をただれさせたり、副作用が起こりやすくなるだけです。

②の涙点から出る量は
 1回のまばたきで、約2㎕の涙が出ていきます。結膜嚢に残った点眼剤も瞬きでどんどん排出されてしまうので、点眼後1~2分は瞬きせずに目を閉じましょう(できれば目頭の内側を押さえて鼻に流れて行かないようにしましょう。ただし手術後は押さえずに目を閉じるだけにしましょう)。

点眼剤の使用期限

 間違えやすいのは使用期限です。これは開封前の期限なので、開封後は、医療用点眼薬は1ヵ月以内、一般点眼薬は3ヵ月以内を目安にしてください。点眼液1滴を約50㎕とすると、5㎖入り点眼薬で約100滴(回)出る計算になります。両目に1日3~4回点眼すれば、1本で約2~3週間分、1日2回だと1本で約3~4週間分ということになります。これを目安に、早くなくなるまたはこれ以上長持ちする人は点眼方法を見直しましょう。

何種類も使用する場合の目薬の間隔は5分

 涙が完全に入れ替わるのに5分かかります。続けて点眼すると後から点眼した液で洗い流されてしまいます。

その他の注意点

❶点眼時、睫毛まつげや皮膚に触れない(触れた場合は廃棄してください)。
❷点眼容器に油性ペンで記入しない。ペンの成分が容器を通過して薬液に達する恐れがあります。
❸湿布薬・防虫剤・芳香剤と一緒に保管しない。湿布薬の芳香成分が揮散きさんし、点眼容器を浸透して薬液に移行します。
❹種類の異なる点眼剤の使用順序は、水性点眼剤⇒懸濁けんだく性点眼剤⇒油性点眼剤⇒眼軟膏なんこう
❺なるべく垂直に点眼する。傾けると1滴量が変わってしまいます。
❻点眼剤は手から汚染されることが多いので、点眼前には必ず手を洗いましょう。