新しい関節リウマチの診断と治療

 関節リウマチは本来、病原体等の外敵から身体を守る「免疫」の異常により、関節を構成する滑膜が攻撃されて炎症を起こし、関節に痛みや腫れが生じる病気です。治療をしないまま炎症が続くと、関節の変形が進み日常生活に支障をきたすようになります。

■原因

 はっきりとした関節リウマチの原因はいまだに不明です。感染・ストレスや、妊娠・出産等が契機になる場合もあります。全国で約70~80万人の患者さんがいて、中でも40~50歳代の女性に多く見られますが、最近では高齢での発症も目立つ傾向があります。遺伝性はありませんが、食生活や生活習慣は発症と関連があると考えられています。

■症状

 関節の痛みや腫れは全身に現れますが、初期では特に手指・手関節(手首)・膝・肘・前足部等に見られます。左右対称の場合が多いといわれていますが、早期には症状が片側だけの事がしばしばあります。朝の両手のこわばりが長く(1時間以上)続く場合も注意が必要です。

■診断

 症状の経過・関節の診察・レントゲン検査・血液検査等、総合的に診断を進めます。早期の関節リウマチでは、症状や血液検査では診断につながらない場合も多かったのですが、最近は超音波(エコー)検査・MRI検査等の画像診断が行われ診断の精度が向上しました。

■治療

 以前は関節リウマチは治りにくい病気と考えられていましたが、早期診断が可能になった事や新薬の開発等により病気の進行を抑え、ほぼ治った状態(寛解)も期待できるようになりました。発症から2年の間に病気が進行することがわかっており、この期間に治療を開始することが特に大切です。
 関節リウマチは昔考えられていたような「治らない病気」ではなくなり、早期診断や早期からの積極的な治療により「治療可能な病気」となりました。
 気になる症状がある場合は、お早めにかかりつけ医にご相談ください。