低容量ピル

「ピル」とはエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモン剤を組み合わせ、主に避妊を目的に作られた内服薬です。

これまでは比較的ホルモン量の多い「ピル」が利用されてきましたが、ホルモン量と副作用が密接に関係することから、ホルモン量を減らし、かつ避妊効果の高い「低容量ピル」がわが国にも登場しました。

「低容量ピル」は女性ホルモンの含有率によって一相性、二相性、三相性があり、自然な生理周期に近づけるよう工夫されています。

また、服用方法から、3週間服用し7日間休み、その後、服用を開始する「21日タイプ」と、連続4週間服用し、休薬期間を置かないで次を服用する、「28日タイプ」のものがあります。(うち7日間はプラセボといい、薬剤が入っていない薬を服用します。)

一般的に、月経開始当日から1錠目を内服しますが、便宜上、月経が始まった直後の日曜日から開始し、以後は4週間後の日曜日ごとに服用する「サンデースタート」を利用する人が多いようです。

副作用として、各種血栓症・悪心(あくしん)・嘔吐・不正子宮出血・乳房痛・体重増加などが指摘されていますが、そのレベルは色々で、まれに強い副作用のため中止を余儀なくされることもあります。しかし、多くは薬に慣れ服用回数を重ねるごとに、自然に消失するようです。

「避妊」以外の効用として、月経不順の改善や月経痛・排卵痛の軽減・子宮内膜症の予防などが挙げられ、多毛やニキビの症状軽減目的に利用する場合もあるようです。

なお、初めて利用する人には、医療機関での一般的検査が必要とされています。

以上、国の内外からその有益性が示されたことから、わが国では、今後、ますますその普及が計られ、一般女性には身近な存在になることが予想されます。