溶連菌性咽頭炎のおはなし

溶血性連鎖球菌(溶連菌)咽頭炎とは?

溶連菌によっておこる感染症です。夏場には減少しますが、1年を通じて流行します。今年は、例年より流行しているため、注意が必要です。

感染の仕方は、飛沫感染と皮膚からの接触感染があります。 潜伏期はおおよそ2~5日です。年齢は、2歳から10歳ごろに多く、成人にも時々見られます。

症状はどのようなものですか?

症状としては、喉が痛くなったり、朝日が昇るように赤くなったり、扁桃腺に白苔がつくこともあります。さらに、口の中に点状の出血斑が認められることもあります。また、舌がイチゴのように真っ赤になることも知られています。発病1~2日目に、お腹や股などに細かい赤い発疹が出現することもあります。時には、かゆみを伴ないます。皮膚の症状としては、症状の終わり頃に、手や足の先から皮がめくれてくることもあります。

熱は、通常は38度以上の高熱であることが多く、嘔吐を伴うこともあります。しかし、下痢は少ないようです。

診断はどのようにしますか?

迅速検査のキットがあります。
綿棒で、喉の奥を拭い検査します。数分で結果がわかります。
培養をして結果を出すこともありますが、4~5日はかかります。

合併症にはどのようなものがありますか?

重要な合併症は、リウマチ熱と急性腎炎です。急性腎炎は、溶連菌感染後4週間前後で発症することが多いといわれています。突然のむくみ、血尿、蛋白尿、血圧の上昇などの症状を呈します。予後は良好ですが、入院、食事制限を要することもあります。リウマチ熱は、多くの関節の炎症や、皮下結節、心膜炎が認められることがあり、心臓弁膜症を起こす可能性があります。また、一般的なものとして、気管支炎や、中耳炎、副鼻腔炎などを起こすこともあります。

治療はどうしますか?

溶連菌の症状は抗生物質を2~3日服用すれば、ほとんどが治ります。しかし、前記の急性腎炎、リウマチ熱などの合併症を防ぐために10日程度の抗生物質の服用が大切です。また、溶連菌感染症発症の4週間後には、尿の検査が有用です。

いつから学校や保育園・幼稚園に行けますか?

抗生物質を服用して24時間たてば、ほかの人にはうつりません。

家族にうつりますか?

うつる可能性は高いでしょう。
しかし、現実的には、発熱や喉の痛みが出現してからの抗生物質の投与でOKです。

1度かかればもうかかりませんか?

溶連菌はいろいろなタイプが知られています。つまり、何回も感染する可能性があります。

日ごろの手洗いやうがいが大切です。