子宮内膜症について ~その2~

子宮内膜症の治療法

治療法には、薬物療法と手術療法があります。その中でも幾つかの選択肢があるので、患者自身が何を優先的に望んでいるのか(痛みの緩和なのか、不妊の治療なのか等)を医師にしっかり伝えることが大切です。その上で、年齢、現在および将来の妊娠の希望の有無、症状の程度、過去の治療の有無等を考慮しながら治療方針が組み立てられます

● ホルモン療法 ●

男性ホルモン類似のダナゾール療法は、月経、排卵を抑制し、病巣を萎縮させます。もう一つは、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌を減少させて、人工的に閉経後の状態をつくり、症状の軽減、病巣の縮小を図ります。

しかし、いずれも使用期限が限られ(6ヵ月間)、治療後、再発する場合もあります。一回ホルモン治療を行ったら、最低6ヵ月間の休薬期間が必要です。

● 対症療法 ●

強めの鎮痛消炎剤の服用ですが、病巣の治療にはなりません。もう一つは、多少病巣の治療になるかも知れません。経口避妊薬(ピル)の服用です。

これは排卵を抑えると同時に、子宮内膜を萎縮させることから、月経血の減少、月経日数の短縮と月経痛の緩和に役立ちます。ピルの服用で卵巣がんや子宮体癌の発生が少なくなります。

日本でも低用量ピルが認可されました。ピルには女性ホルモンであるエストロゲンと、プロゲステロンに非常によく似た物質が含まれています。

低用量ピルを毎日飲んでいると、ホルモンの量が足りていると体が錯覚し、本来の分泌を抑制するので、通常は、毎月ジェットコースターのような起伏を描いて変動する血液中のホルモン量が、ほぼ一定に保たれるようになります。

その結果、脳は排卵や子宮内膜の増殖を促す指令を出さなくなり、避妊が出来、子宮内膜の増殖も抑えられるのです。手術療法は医師と相談してください。