胸やけの原因となる「逆流性食道炎」は、不快なだけでなく、放置すると食道がんに進行する可能性もあります。早期に発見して適切な治療を受けることが大切です。
本来、胃の入り口は食べ物や胃液が食道に逆流しないよう閉じられていますが、何らかの原因でこの入り口が緩むと、胃の中の胃酸や食べたものが食道に逆流します。胃の内部は粘膜に覆われ、強い胃酸にも耐えられるようになっていますが、食道はそのようにできていないため、逆流した胃酸で食道の内壁が刺激されてジリジリと胸が焼けるような灼熱感が生じます。これが胸やけです。胃酸によって食道の粘膜が頻繁に傷つくと、食道は逆流性食道炎と呼ばれる状態になります。代表的な症状には胸やけのほか、酸っぱいものが食道に上がってくる呑酸、胸の痛み、のどのつかえがあります。声がかすれたり、ぜんそくのような症状が出ることもあります。起こりやすいのは、胃酸過多の人、高齢者や猫背の人です。食道の粘膜が胃酸にさらされ、まるで胃の粘膜のように変化することがあり(バレット食道)、このような場合には、食道がんのリスクが高まります。これを防ぐためには、逆流性食道炎を早期に発見して、適切な治療を受けることが大切です。逆流性食道炎の疑いがある場合は、内視鏡で食道の粘膜の状態を調べます。治療では胃酸の分泌を抑えるPPIなどが用いられます。効果は高く、患者さんの大半に改善がみられますが、症状の再発予防に大切なのは、薬による治療に加えて、生活習慣の改善を続けることです。大食いをせず、就寝の3時間前には食事を済ませるようにしましょう。