慢性関節リウマチ

リウマチと言っても実は百種類くらいある病気の総称で、慢性関節リウマチはリウマチ性疾患の1つです。全身性に慢性に進行する疾患です。

一般に全身の関節に炎症が広がり、手足の関節に腫れや痛みを伴う病気です。この関節炎を放置すると、関節が痛くて動かせなくなり生活に支障を来たします。病気にかかる男女の比は1対4の割合で女性に多く、30~40歳代に多く発症しています。

原因

関節に炎症が起こる場合は、外敵から身体を守る免疫の機能が自分の組織に向かって働いてしまう免疫異常(自己免疫)によるものですが、この異常が何故起こるのかはまだはっきり分かっていません。

症状

朝の手足の強ばり、関節痛は多くは左右対称に現れます。腫れは始め指の小さな関節が多く、やがて手首、足首と各関節に広がっていきます。関節が脱臼変形し、運動が制限され進行すると、手指の変形拘縮が起こり、筋肉の力が弱くなります。

全身症状

微熱が続いたり、全身の様々な臓器に炎症が起こります。

診断

  • 血液検査―リウマトイド因子(自分の蛋白質に対する抗体の有無)、血沈、CRP(C反応性蛋白)
  • X線検査(かなり進行した場合、骨の破壊像が見られる)

早期リウマチの診断基準

関節の痛み(3ヶ所以上)、関節の腫れ(2ヶ所以上)、朝の強ばり、リウマトイド結節がある、炎症反応がある、リウマトイド因子が陽性である。
6項目のうち当てはまるものが3つ以上あるとリウマチの早期と診断されます。

治療

対症療法です。全身性で経過も複雑なので、内科、整形外科方面の知識を持った専門医の治療を受けることが大切です。薬物療法としては関節の炎症を抑える非ステロイド系抗炎症剤、抗リウマチ剤や免疫抑制剤、ステロイド剤等が使われます。
その他日常の心構えとしては、関節に負担をかけない生活を心がけることが大切です。安静と同時に適度の運動、そして保温と栄養が治療生活の基本です。

通常は局所的な病気ですが、まれに高熱を伴い全身に広がることがあります。特に溶連菌によるものは腎障害に対する注意が必要です。早めに医療機関で治療しましょう。