運動で高齢者の骨折を予防しましょう

 日本では高齢化が進んでいます。高齢者の骨折も年々増えてきています。さらに新型コロナウイルスの影響で自粛生活を余儀なくされています。また、今年の夏は梅雨が長く、梅雨明け後は猛暑が続き、運動をする機会が極端に減ってしまいました。今後もしばらくの間運動不足になってしまうことが予想されます。

 このような状況が続くと、心配なのは高齢者の骨折が増えてしまうことです。出かける機会が少なくなると脚の筋肉がだんだんと衰えていきます。また運動しないと骨も弱くなり、日光に当たらないと骨粗しょう症も進んでしまいます。筋力低下と骨粗しょう症は骨折のリスクを高めます。春先からの運動不足が原因でこれから2~3年後の高齢者の骨折が大幅に増えていくことが心配されています。比較的若い年代でも運動不足や体重増加に伴う腰痛、膝の痛みなどで困っている方が多くなってきています。

 自宅の中や、自宅の近くで少しずつ運動を始めてみませんか?しばらく運動を休んでいた方は急に無理な運動をすることはかえって痛みを起こす原因となります。まずはストレッチや柔軟体操で体を慣らしてみてください。テレビのラジオ体操なども全身をバランスよく動かせるのでお勧めです。少し気候が良くなってきたら朝晩の涼しい時間帯を選んで自宅の周りや公園などを歩いてみましょう。筋力トレーニングは今までやっていた運動に少しずつ負荷をかけてみてください。今までやったことのない運動や新しい器具を使う運動などは十分注意してから始めましょう。体力、筋力、今までの運動量、持病の有無など個人差があるので、できれば開始前にかかりつけ医に相談してから行うと安心です。

 何歳になっても筋力は鍛えられます。無理をせず少しずつ運動を開始することで今後の骨折を予防しましょう。