帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防(帯状疱疹ワクチンについて)

 2017(平成29)年6月15日号のこのコラムで帯状疱疹(たいじょうほうしん)のお話をしました。突然ピリピリと痛い水疱(すいほう)ができる帯状疱疹。経験した人も多いかと思います。日本では、3人に1人が50歳までに帯状疱疹を経験すると推定されています。

 原因は、小児期にかかった水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。再活性化の要因は、加齢・疲労やストレスなどによる免疫力低下などです。帯状疱疹の発症率は50歳代から急激に高くなり、患者さんの約7割が50歳以上です。急性期の痛みだけでなく、長期間にわたって痛みが持続する帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行する場合も多く、まれに視力低下や難聴などの合併症がみられます。

 日本でも50歳以上の人に予防のワクチン接種が可能となりました。ワクチン接種により帯状疱疹の発症率は51.3%減少し、PHNの発症率も66.5%も減少すると報告されており、高い予防効果が期待されます。ただし、今治療している病気や過去の病気などにより、ワクチン接種ができない場合があります。ワクチン接種に関しては、かかりつけ医にご相談ください。