食物アレルギーのお話 その2

食物アレルギーの症状

 症状は、原因となる食物を摂取してからごく短時間(数分から数時間)で出現します。じんましんや湿疹による強いかゆみ、まぶたや口の周りがむくむなどの皮膚症状を認めることが最も多く、次いで鼻汁や鼻づまり、くしゃみ、咳や喘鳴[ぜんめい](ぜいぜい)など呼吸器の症状や口の中や舌がかゆくなる、ひりひりするなど粘膜の症状、吐き気やおう吐、下痢などの消化器の症状が認められます。頻度は少ないのですが、最も注意しなければならないのが生命にかかわるアナフィラキシーです。

アナフィラキシーの症状

 アナフィラキシーは食物を摂取してから短時間(数分)で生じる全身性の重篤なアレルギー反応で、前述の皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状に冷や汗、動悸、胸が苦しくなる、四肢の冷感、不安、めまい、目の前が暗くなる、頭痛などの症状が前後して認められるようならアナフィラキシーが重篤化[じゅうとくか]していると考えられます。症状の進行は急激で「アナフィラキシーショック」と呼ばれる意識消失・呼吸困難・血圧低下から生命にかかわる状態になります。治療は一刻を争いますので、迷わず、大至急救急車を呼んでください。

原因となる食物

 原因となる食品は、鶏卵・牛乳・小麦・甲殻類・ピーナッツ・そば・果物類・魚類が多いため、食品衛生法で卵、乳、小麦、ピーナッツ、そば、えび、かにの7品目は特定原材料として食品表示が義務づけられています。食物でアナフィラキシーなど強いアレルギーが認められ、原因食材が分かっている人は、食事の際は食品表示に注意するなど、原因食材が使われていないかを十分に確認しましょう。食物で前述のアレルギー症状を発症し、未だ原因食材のわからない人は医療機関を受診して原因を調べ、対処法についてご相談ください。