夜間などに、「熱が高いのですが、どうしたらよいですか」といった電話をよく頂きます。 お母さんにとって、子どもの発熱は、大きな関心事ですね。今回は、この発熱について、どんな時に注意したらよいのか、逆に、どんな時は心配ないのかを中心にお話したいと思います。
まず、何度以上を発熱というのでしょうか?一般に我々は、37.5度を大きな目安にしています。予防接種でも37.5度以上の場合は、一般に接種をしません。
さて、ここで強調したいことがあります。37.5度以上の熱の場合、その高さより、機嫌や、食欲、飲みの程度が大切であるということです。 お母さんは、「40度を超えているのですが、頭は大丈夫でしょうか?」等と心配したり、熱の経過を1時間刻みで、事細かに記載してくるお母さんもいらっしゃいます。 しかし、熱が高くて、脳がやられてしまうことは、まずありません。
また、熱の経過表は確かに有用ですが、1日に大まかに朝、昼、夕方の3回計っていただければ、十分です。熱の高さだけに、目をとらわれることなく、お子さんの元気さや、何よりも、飲み水がしっかりとれているかに着目してください。飲みが良く、あるいは、少し飲みが落ちていても、ミルクや水分を欲しがり、おしっこが出ていれば、あまり心配しなくてもよいと考えてください。
次に、年齢と発熱の関係が重要です。たとえば、生後6ヶ月を過ぎていれば、ただの発熱で、機嫌もよく、飲みもよければ心配ありません。生後1ヶ月の場合は、発熱そのものが、緊急事態です。生後2ヶ月から5ヶ月の場合もあまり発熱しませんから、かかりつけの先生に必ず相談してください。
最後に熱の経過表のお話をしましょう。前にも書きましたが、熱の経過を1日の中で、3回ほどを目安に記録しておくことは、大変有用な方法です。一般的に、熱が3日続くことは、風邪の場合よくあることです。(熱が3日続くとは、1日の最高の体温が37.5度以上で、それが3日続くということです)。しかし、熱が4日以上続く時、我々は少し注意して、お子さんを診ていくことになります。気管支炎や、肺炎などが発症してくる可能性があるからです。熱は、ワンポイントで何度上がったかが問題ではなく、多くの場合、熱の継続する期間が問題になる場合が多いのです。熱がまる3日を過ぎても、継続している場合は、ぜひかかりつけの医師にご相談ください。