次の条件にあてはまる率が高いほど、うつ病が疑われるケースは濃くなると考えられます。
- 一般的に「不定愁訴」といわれることの多い、さまざまな身体症状が出る。
- 精神的な乱れを示す異常や症状が出る。
意欲減退・思考力低下・抑うつ気分・不安やイライラ・根気がない・人と会うのが億劫(おっくう)・自責感など。 - 異常や症状に日内変動がある。
一般に朝悪く、夕方には改善している。 - 症状は多彩であることが多い。
睡眠障害・食欲不振・性欲減退など。 - 性格的に「うつ」になりやすいタイプがある。
几帳面(きちょうめん)・仕事熱心・執着的・社会人的有能な人 - 症状が出現した際に、なにかきっかけとなる「できごと」がある。
病気・けが・転職・定年・死別・生活環境の変化など何らかの喪失体験がある。 - 昇進・役員・家の新築などでの心理的負担。
- 気分の落ち込みを季節的に繰り返す。
例えば、
- 眠れていない
- 元気がない
- 顔色がさえない
- 口数が少なくなった
- 朝方なにをするのも大儀そうにみえる
- 帰宅後疲れがひどそうだ
- 休日も疲れているようでゴロゴロしている
- 食欲がなくやせてきた
- 性欲も落ちた
- 悲観的なことをいう
- 話しかけても生返事しかしない
このような態度の多くは、何か体に異常が生じているのではないか、と思わせるものです。
心療内科の専門医や精神科医は、うつの疑える人たちに対しては、受診時にこのように問診をよく聞くことで、受診者のうつ状態を探っていくのです。医学的立場から直接患者さんと接して、多角的に評価をしたうえで、「うつ」を診断するのです。